in Japan
10代の頃からエンターテイメント、音楽活動や演劇と呼吸をする様に舞台へ立ち続ける岡本さんの姿は何度撮影しても美しい。
観客の様々な目線を呑み込み自分自身と戦ってきたその姿は正真正銘のスターである。
それながらも舞台から下りれば、常に周りのスタッフ陣に声を掛け、気を遣ってくれる。
以前のライブの出来事。
「啓介、話しは聞いてるよ」 「昨日アメリカから帰ってきたんだって?」 「トレインホッピングはどうだった?」
と声を掛けてもらった。 そして、ちょっとタバコ行かない? と笑顔で伝えてきた。
それはステージ傍の本番10分前で、スタッフ全員が緊張の渦の中での出来事だった。
このタイミングで? と思ったけど、岡本さんの流れる余裕のある時間に身を任せて旅の道中で体験した事を話した。
ライブ本番。 岡本さんが朗読を突然始めた。 内容はアメリカの貨物列車に1人飛び乗った男の話。
ほんの10分前の話は舞台上で、岡本さんの言葉となっていた。
本番直前でさえ取り入れられる一瞬の閃きや発想力には驚愕した。予定調和にはない即興で朗読する岡本さんは言葉に入り込んでいった。
この経験と詩は自分にとって一生の宝物になった。