ドリーム観光の添乗員・早乙女千春(名取裕子)とその上司・須藤正次(蟹江敬三)は、リゾート開発会社・高嶺総合開発の 社員旅行を案内することになった。 社長の高嶺麻友(田中美奈子)と社員たちを乗せて、バスは那須塩原を目指して出発する。 ところが千春は、社員の一人で、旅行の幹事でもある一ノ瀬悠介(橋本さとし)を見て驚く。悠介が、交通事故で死んだ千 春の婚約者、澤登稔(橋本さとし・二役)に生き写しだったからだ。 悠介の横顔をながめながら、稔との幸せな日々を思い出す千春。悠介が稔の生まれ変わりなのではないかと想像する千 春だったが、現実はそう甘くはない。悠介は麻友の婚約者で、今回の旅行には悠介の母親・晃世(野川由美子)も同行して いたのだ。晃世は二人の結婚に反対しているという。 バスは寄り道して、麻友の父親が所有していた屋敷に到着する。そこで待っていたのは、高嶺総合開発の鬼塚常務(望月 太郎)とその部下の赤木泰徳(前田耕陽)だった。鬼塚は麻友に経営が苦しい会社のためにその土地を売るよう迫るが、 麻友は拒絶する。 千春と須藤は、社員が急進派の鬼塚常務と穏健派の桃山専務(内山森彦)に分かれて対立していることを知る。社員たち は屋敷内に並ぶ高価な美術品を複雑な思いで見物してから、その日の宿に着いた。温泉そして宴会。沈んだムードを盛り 上げようとする須藤のカラオケが空しく響く。 宴会場に悠介の姿がないことに気付いた千春は、晃世とともに悠介を探すが、二人は鬼塚の他殺死体を発見してしまう。 その側には悠介が立っていた。現場には血の付いた謎のメモが…。