『勝手にしやがれ!! 成金計画』は、哀川翔と前田耕陽の名コンビによる便利屋シリーズ第5弾であり、偶然手に入れたヘロインを巡る騒動を描いたアクションコメディです。1996年9月7日に劇場公開され、黒沢清が監督を務めた作品です。暴力団との抗争に巻き込まれる雄次(哀川翔)と耕作(前田耕陽)の珍騒動が展開されます。
あらすじ
いつものやっつけ仕事の最中だった雄次と耕作(前田耕陽)は、自動車事故を起こしたOL・三奈子を助けた。数日後、三奈子は暴力団抗争の現場にたまたま居合わせてヘロインを託されたと、雄次たちの前に姿を現わした。すでに組員は全滅しており、彼女が手にしたヘロインの包みは時価800万相当。処理を任されたふたりの元にはどこで聞きつけたか暴力団の3人組や麻薬バイヤーが現われ、てんやわんやの買取競争を繰り広げる。それを見た三奈子は実はまだ包みが隠してあると言い出し、こちらの紙袋ひとつぶんの時価は8000万相当だった。彼女はこれを不倫中の上司・岡山と一緒になるために使おうと考え、またひと騒動が持ちあがる。ヘロインすべてを雄次たちに渡した三奈子は岡山と一緒に旅立っていくかと思いきや、実は彼女がまだ紙袋を隠していたことがわかり、出るわ出るわで8億円分のヘロインが現れた。3人組やバイヤーが度々脅しに来て騒ぎが大きくなるうち、情報がめぐりめぐって相場が下がり、結局どこにも売れなくなってしまう。このままでは相場関係者に殺されると思った雄次たちは、ヘロインを捨てる決心をした。捨て場所に苦労しながらも紙袋一つは海に捨て残りはトイレに流し、三奈子と岡山がふたりでバリに旅立ってめでたしめでたしとなるはずだったが、しつこい3人組が岡山をさらってヘロインをよこせと脅迫する。偶然残っていたひと包みを手に湖畔の交換場所へ雄次たちが向かうと麻薬バイヤーまでが現われ、さらに海に捨てた紙袋もその場に流れ着き、3人組とバイヤーはヘロインを奪い合って自滅、今度こそ本当の大団円を迎えた。
キャスト
- 雄次:哀川翔
- 耕作:前田耕陽
- 三奈子:鈴木早智子
- 岡山:塩野谷正幸
- 鈴木栄(先生):大杉漣
- 羽田由美子:洞口依子
前田耕陽は、吉行耕作役を演じています。耕作はシリーズを通して雄次の相棒として登場し、今回もヘロイン騒動に巻き込まれながらも、コミカルな掛け合いを見せるキャラクターです。雄次と共に数々の困難を乗り越え、最終的には大団円を迎えます。
前田耕陽は全編にわたり出演し、雄次との息の合ったコンビネーションが光るシーンが多く見られます。特に、ヤクザや麻薬バイヤーたちとの対決や、ヘロインを巡るトラブルの中でのコミカルなやり取りが見どころです。
制作情報
- 初回公開日:1996年9月7日
- 公開場所:日本全国の劇場
- 放送時間:81分
- 監督:黒沢清
- 脚本:じんのひろあき、黒沢清
- 撮影:喜久村徳章
- 音楽:トルステン・ラッシュ
- 配給:ケイエスエス